日本の歴史を取り戻せ

荒木弥三郎


『日本の国家主義、皇国主義の根幹はどこにあるのか。それは、皇室と国民との関係にある。「日本書紀」という史書をいかに日本人の教育や学問の研究の中から追い出していくかが大事だ。』

これは、先の大戦中の昭和17年5月の米国の諜報機関の文書である。

この大戦までの歴史は、かつてポルトガル、スペインがローマ教皇の大勅書による認可の基に地球を幾何学的に領土分割線を引いて、神の名における異邦の人々も、地球も、海域も、文化も、富も、命も、すべてを支配し、占拠し、奴隷化する事も許されるという審判による境界画定(デマルシオン)の延長線上の世界であった。米国もまた領土拡張は、人口増加による当然の政策「明白な運命」(マニフィスト・ディスティニィ)として正当化して、拡大してきた国であった。

現にこの当時、欧米白人国の地域以外のアジア・アフリカ、中南米等で独立国と言える国は、何カ国あっただろうか。

アフリカではエチオピア(昭和11年〜16年 イタリアの植民地)、中東ではなんとかトルコ、東南アジアではタイ、清国は虫食い、極東では日本、その他のすべては欧米の植民地であった。

その中において唯一、欧米列強白人国に対応する空母艦隊までを造り、これに対し得たのは日本のみであった。世界史から鳥瞰するならば大東亜戦争は、まさに欧米列強のアジア、アフリカ等の人種平等、植民地解放戦争であった。敗れたりと言えど、日本がかく戦わねば、今日の様な多くの非白人国の独立国家は誕生しなかっただろうし、米国における黒人公民権の獲得もかくも早く進むこともなく、オバマ大統領の誕生もまだなかったであろう。

また、日本は、コミンテルン世界共産主義運動の防波堤となって戦ったのである。満洲国はまさに防波堤であった。ルーズベルトの真の敵は、スターリン・共産主義であったが誤ったため、米国がペリー以来目指した中国大陸のマーケットは、共産化し、冷戦となり、朝鮮半島で戦い、ベトナムで戦った。それ以来、現在まで休むことなく戦い続けている。

我国の父祖は、正々堂々と国際法上の「戦争」を戦ったのである。完全武装した軍隊と戦ったのである。マッカーサーがワシントン政府から受けた第1号命令は、日本国が再び米国及び連合国の脅威とならない様徹底的に無力化、弱体化する事を目的とした「降伏後における米国の初期対日方針」(昭和20年9月6日)であった。

この政策を実行する秘密計画が「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」(戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝計画)であった。この計画のもと、我が国の歴史を占領国が書き換え、「真相箱」「太平洋戦争史」等とし、放送し、教材化し、また徹底的な検閲を行った。さらに、スターリンによる「三二年テーゼ」による日本共産党への指令による左翼も加わり、まさに神代からの日本民族の伝統、文化、価値観、即ち貴重な我国の固有文明を彼等の文化テロにより破壊された。

歴史を奪われ、日本人としてのアイデンティティーをなくし、平和、権利、福祉、人権の毒液の中に溶けて、国の形、誇り、意思を失い、エゴと飽食、犯罪多発の社会とした。

今、最も必要なのは、世界で最も長い継続した歴史を持つ我が国の国柄を取り戻す事であると思う。これを我々世代がなし得なければ、先人に対し、またこれから生れてくる子孫に対して申し訳なく、戦後のわがまま亡国世代の借金だけ残し、日本を破壊したと後の世に言われるだろうと思う。

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