「海の日」に思う
(平成19年)
針原 崇志
この原稿を書いている7月16日は「海の日」とされている。
現在、海の日は7月の第三月曜日と定められており、今年は7月16日がこれに当るので7月16日が「海の日」なのだが、本来、海の日は7月20日であった。
この7月20日というのは、適当に決められたものではない。
明治9年、明治天皇が東北を行幸せられた帰路、青森から灯台巡察船「明治丸」に乗船され、横浜港に無事到着されたのが7月20日であった。これを記念して、昭和16年に「海の記念日」が制定され、平成8年以降、「海の日」という祝日となったものである。
ところが、こうした由来を全く考慮せず、「三連休にした方が多くの人がレジャーに出かけて経済効果も大きいだろう」というカネ目当ての理由で、平成15年以降、現在のように定められたものである。
まさに、カネを崇拝し伝統文化を軽んじるこんにちの悪しき風潮を象徴するものである。
今また与党内の一部議員が、新嘗祭に由来する「勤労感謝の日」(11月23日)を11月5日に移して「秋のゴールデンウィークを作ろう」などとほざいているが、守銭奴の浅知恵で我が国の栄光ある伝統文化に軽々しく触れないでいただきたいものである。