歴史を正すために
(平成19年)

大東亜聖戦大碑護持会会長、元参議院議員

板垣 正

第7回大東亜聖戦祭を迎えるにあたり、靖国神社に神鎮まる護国の英霊に対し、慰霊と感謝の誠を捧げます。また、真正日本再生のため、日夜御精励の同志各位に対し、衷心より敬意を表する次第です。

はじめに、大東亜聖戦大碑建立の発起人として、毎年の聖戦祭に出席され、終始指導的役割を果たしてこられた名越二荒之助先生が、去る4月11日に逝去されました。誠に哀情痛恨の極みに堪えません。
名越先生の御生前の各方面における目覚ましい御活躍については、改めて申し上げるまでもないと存じますが、歴史の真実を明らかにすることに生涯を捧げられました。その信念と行動力は、まさに他の追随を許さないものがありました。私自身、シベリア抑留の縁もあり、戦後40年にわたりご厚情に浴し、御教導をいただいた忘れ得ぬ恩人です。
ここに皆様方とともに、偉大な名越二荒之助先生の御功績をたたえ、心からご冥福を祈念申し上げます。

さて、最近我が国をめぐり、看過しえない事態が発生しています。
去る6月26日、米国下院外交委員会において、「慰安婦問題」について、日本の首相に公式に謝罪を求める対日非難決議案が、賛成多数で可決されました。近く下院本会議において採決の見通しといわれます。
まさにお荒唐無稽な、根拠のない国辱的な決議は、断じて容認できません。
この背景には、日系反日下院議員と、中国系反日団体の癒着と執拗な工作が存在し、こうした反日工作は中国本土側と結びついているといわれます。
しかし、この事態の根源は、まさに悪名高い「河野談話」に存することは無視できません。
日本政府が「河野談話」を否定しない限り、こうした不祥事態を克服することはできません。

「河野談話」に限りません。例の「村山謝罪談話」が、どれほど歴史を歪め、我国の名誉と誇りを傷つけているか、想像を絶するものがあります。
現に、今年は南京陥落70周年にあたり、中国・米国・カナダ等で、十本以上の「南京大虐殺」映画製作が計画され、全世界に公開されるといわれます。
まさに根拠なき歴史の捏造が、公然とまかり通り、我が国は汚辱の嵐に晒されようとしているのです。

改めて、諸悪の根源は、「東京裁判」史観による、歴史の破壊と、断罪にあることを確認し、今こそ歴史を正すため、戦後体制を脱皮し、国の基本姿勢の確立を求めねばなりません。
目下展開中の参議院選挙の結果にかかわらず、まさに国家百年の展望に立って、われわれの初志貫徹を期したいと念願いたします。

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