新日本、船出の時
(平成19年)

大東亜聖戦大碑護持会会長、元参議院議員

板垣 正

紀元の佳節にあたり、皇室の御繁栄と、わが日本国の誇りと活力に溢れた発展を祈願して已みません。
昨年9月、皇室に置かれては、41年ぶりに親王殿下御生誕の大慶事がありました。
皇位継承をめぐり、皇室典範改正問題が深刻な国民的憂慮を招いていた矢先、まさに暗雲は晴れ渡りました。天佑神助と申す外ありません。久々に国を挙げての歓喜の渦は、皇室中心の、比類のない国柄を表現しました。
悠仁親王殿下のお健やかなご成育を衷心より祈念申し上げるとともに、われわれは、万世一系の皇統の護持と、皇室の盤石の基礎のために心を砕かねばなりません。
国家的慶事に沸いた矢先、小泉内閣に代り、安倍信三内閣が誕生し、我が国は、画期的な新時代に突入しました。
初の戦後生まれの安倍総理は、小泉改革の継承とともに、かねての政治信条に立って「戦後体制の脱却」と「国の基本の確立」を高らかに表明し、基本政策として「憲法改正」と「教育基本法改正」を政治日程に載せることを断言しました。
戦後60余年、歴代内閣で、かつてなかった画期的な転換期の到来というべきです。
顧みれば、独立主権国家日本の証として、占領憲法から、日本人自身の手による日本国憲法の制定、占領軍強制の教育基本法の日本人にふさわしい教育基本法改正は、心ある日本国民の久しきに亘る悲願であり、幾多先人が、身を挺し、血涙を注いできたところであります。
しかし悲しい哉、独立回復後も、占領政策や東京裁判に呪縛され、国論分裂の不毛な構想を繰り返し、内政干渉に屈し、とくに反日的日本人の横行は目に余りました。
周知のごとく憲法議論は久しくタブー視され、教育は日教組の牛耳るまま偏向しました。
かくして戦後体制は維持され、ひたすら者と金に執着する「魂なき繁栄」のもとに、国を挙げて思考停止状態が続いてきました。今日の国家意識の欠如、道義の退廃、教育の後輩は決して偶然とは言えません。
近年ようやく憲法改正議論が高まり、教育問題が論議の焦点となりつつあります。
そして、まさに画期的な新安倍政権の登場を見るに至りました。
昨年暮れの臨時国会においては、待望の改正教育基本法が成立し、「公共の精神の尊重」や「伝統の継承」の理念、教育の目的に「伝統と文化の尊重」「国と郷土を愛する態度」が明記されました。また防衛庁の「省」昇格も実現し、我が国の安全保障が見直されることになりました。
憲法改正の第一歩として、「国民投票法」は、今年の通常国会で成立が見込まれています。
また「靖国神社参拝」の経書jも、自民党大会において鮮明にされました。
緊迫する内外情勢のもとで、もはや後退は許されません。
広く世界とアジアを展望し、今こそ21世紀の新日本船出の時を迎えました。

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