どうして日本人はかくも堕落したのか
(平成19年)
神澤 頼重
一度時期を見て、いろいろお話をお伺いしたいと思っています。私は自由業ですので、時間は都合がございます。中田様が、少しでも時間がございましたら、喜んですぐ参ります。
私が知りたいのは、わずか60年でどうして日本人がこんなにも堕落してしまったのかということです。
一歩町へ出れば、信じられない事ばかりです。
本当にこれが、明治〜昭和20年までの日本人と同じ日本人なのか、と思っています。
私は大正3年/6年生まれの両親を知っています。明治生まれの祖父母も知っています。
その他大勢の人々を知っています。戦前の教育を受けた日本人と戦後教育を受けた日本人の違いには驚かされています。
私は特に母からの影響でしょうか、自衛隊に入りました。それは何か国の為に役に立ちたいと思ったからです。ただ、軍人精神がほとんど感じられないのと、帝国陸海軍の悪口を上官(前・後期教育・中隊を問わず)が平気で言っていたり、最も腹立たしかったのは、負けると分かればすぐに降伏しろと教えられたことでした。もっとも、一部には帝国軍人みたいな方も少なからずいました。
両親にはそのことは死ぬまで言いませんでした。
両親は帝国陸海軍と自衛隊を同じに思っていました。自衛隊は旧軍人の足元にも及びません。全く教育の差です。私は愛国心や天皇についての本を持っていましたが、それだけで変な目で見られました。もっとも、私の中隊だけなのか、それともその上官だけだったのかは分かりませんが、とにかく兵隊になるのが夢だっただけに残念です。
北海道を選んだのも、ソ連軍が攻めて来る可能性が唯一あった地域だと思ったからです。それを十分に知っている人は戦争が嫌だから(自衛隊員の中にいます。残念ですが)内地を希望する者も多々いました。私はそれどころか、ソ連と対峙している北海道を敢えて選びました。
私が長くいましたドイツの人々には色々教えられました。特に公衆における道徳(実は日本の修身教科書にそっくりなのでした)戦争に2度負けても、精神が崩壊していなかったのです。
不思議なのは、ドイツで私が聞いた日本人というのは、戦前の日本人ばかりでした。悪口は私は聞いたことありません(戦後の日本人については少し聞きました)。
私は地位・名誉・財産、何もありませんが、協力をさせていただきたいと思います。