自民党よ真正保守に返れ
(平成21年)

大東亜青年塾副塾長

上谷 親夫

自民党は今度の衆院選において、歴史的大敗北を喫した―――、当然であろう。
自民党党首でありながら「自民党をブッ壊す」と宣言していた男がいたのであるから。
彼は己が趣味により、ただ単に、個人的に政治的な生活を満喫しただけの男である。「ブッ壊す」といわれて「壊してはならぬ」と、誰一人起ちあがった者がいなかった党である。
宇野、海部、宮沢、麻生といった党首、首相であった人物の、「ユル褌」そのものの態度、表情。
それでいながら、自分の首が危なくなった2、3日前からの、驚くような緊迫感、真剣さ。
麻生太郎などは、投票日2、3日前に見せた様な、あの切迫感と真剣さで、年金問題、官僚問題、格差問題等に取り組んでいたならば、決して示されたような大敗は喫していなかったであろう。それを彼は、当の体質の問題にすり替えている。
自民党は奥野誠亮、藤尾正行といった、筋金入りの党人を斬って来た。もう党には、全党員をまとめて全国民に、保守の真価を問えるような人材は、いなくなってしまった。
柔軟な世襲を繰り返し、選挙地盤の保養に長けた、そして芸能タレントの様な政治屋ばかりが増長し、世界を見詰め、国家の在り方を創造し、国民の進むべき道を訴えるような政党人は、もう見付け出すことも困難となってしまった。
真正保守たるべき自民党は、何処へ行くのか。このままでは空中分解を待つばかりである。
全党員、政治の原点に立ち返って、党人の本来の姿に立ち戻り、真剣に自己の生存をかけて生まれ変わらなければ、自分自身の存在、党の存在、国家の存在も無くなるものと覚悟しなければならない。
過去の行きがかりも、小さい自己の立場も面子も全てかなぐり捨て、虚心に、坦壊に、ただ国と党を思って生まれ変わってほしい。
又この際、不完全な法に照らして問題は無くても、誰が考えても納得しかねる政治資金を蓄え、或は使用してきた新政権の人物には、事務引継ぎは行わない位の見識があってもよいのではないか。

最後に申し上げたいことがある。
真の保守政党なら絶対護ってほしいのである。
改善すべきところあれば改めねばならぬが、戦後GHQによってなされた日本劣化謀略で壊された伝統文化精神の復活が最も大切なのではないだろうか。
素晴らしく美しき東洋の君子国が鬼畜に劣る犯罪激増の醜き国にされた原因を考えて欲しい。日本は正しい戦いをしたのである。人種平等の道を拓いた結果を見れば歴然たる事実である。真実の歴史を教え子孫に誇りを与えて欲しい。
村山内閣以来続けている謝罪反省のペコペコ自虐外交は、英霊・祖先を冒涜する最も愚かで許せぬことだった。それを15年続けた大バカ振りは多くの国民に愛想をつかされたことを知るべきである。それを批判もせぬマスコミは明らかに謀略に冒されている。
子孫の為にこの古き尊き国をあるべき姿に返さねばならない。
それが真正保守政党の任務ではないのか。
東京裁判をなしたマッカーサーがトルーマン大統領(当時)に対し昭和25年10月15日ウェーキ―島において東京裁判は間違いであったことを述べ、又昭和26年5月3日には、米国上院外交委員会においても、日本の戦った多くの戦いは自衛のためであったと述べている。これを奉じた我が国の新聞を見た事がない。これくらい自国を悪くする謀略に新聞がやられていることも何とかせねばならないことである。

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