現行憲法破棄並「皇室典範」無効宣言(抄)
(平成16年)
弁護士
南出喜久治
占領典範の有効を前提として、現行憲法下での改革に励んだとしても、伝統保守回帰と皇統護持の道は遠のくばかりであって、このことは現行憲法(占領憲法)の有効性を前提とする「改正」論議についても同様である。根が腐った木に葉は繁らない。占領憲法をまもれば伝統も靖國も民族教育も滅ぶ。そして、占領典範を守れば皇統も滅ぶ。
このままでは、万葉一統の大樹は、静かに、しかも不可逆的に朽ち果てる。そんな危機に直面していることを我々は真剣に自覚すべきではないのか。
仮に、現状での改革を目指すとしても、次善の策として、占領典範を大幅に改正し、皇室の自律権、自治権を広範に認め、皇位継承決定権、宮家創設権、典範改正権、皇室関連施設及び皇室行事関連施設(京都御所、皇居、東宮御所、御用邸など)に対する設備管理権、行幸決定権、宮内庁長官その他の宮内庁職員全員の人事権と組織編成権などを陛下と皇族に委ねて御叡慮に従ふという大改革がなされなければならない。
この大改革こそが、本来ならば象徴天皇にふさわしい制度改革であるはずである。このままでは国家国民の「象徴」ではなく、政府、宮内庁の「傀儡天皇」であって、一段とその傾向が加速するばかりであり、この大改革の主旨を理解し得るかか否かが、「伝統保守」か、「戦後体制保守」かの思想的分水嶺となるはずである。
極東国際軍事裁判の実施と現行憲法の制定というGHQ占領の二大政策から解き放たれ、真の独立を実現する為の「祓庭復憲」運動を展開することが刻下の急務であり、占領憲法の改正論という茶番に等しい不毛の極論から脱却して、現行憲法を破棄、無効を宣言するとともに、併せて占領典範を破棄しその無効を宣言することこそ我が国の自立再生への道であることを確信するものである。