紀元節と占領憲法
(平成20年)

弁護士

南出喜久治

占領憲法が帝國憲法の改正法としては無効であることは、予てから述べてきたが、これを憲法として有効であるとする見解の中には、この占領憲法を「革命憲法」であるとするものもある(革命説)。
しかし、軍事占領下の非独立時代に革命といふ自律的変革があるはずもなく、この見解の論理破綻は多言を要しない。
もし革命憲法であれば、「革命国家」としての建国記念日が新たに設けられるはずである。しかし、さうではない。神話の煙る悠久の歴史の中で、神武天皇が橿原宮で践祚された肇國の日を2月11日と戦前から定めたもので、これを紀元節として今日も継承して例年奉祝し続けることは、革命憲法を否定し続ける我が国とその臣民の意思であると評価できるものである。
その意味において、この紀元節を奉祝し続けることの国法学的な重大意義があることを再確認するものである。

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