くにからのみち
(平成22年)
弁護士
南出喜久治
ちちははと とほつおらから すめみおや
やほよろづへの くにからのみち
この歌は、我が國のくにからを言祝ぐ手向け歌として、平成20年7月24日に、インターネットで掲載した拙著『國體護持』の助言を書きあげました日に詠んだものです。
この歌を古事記の表記に倣ふとすれば
「自父母及先祖以至皇祖皇宗及八百萬之神而國體之道也」
といふことになります。
あまり歌の解説をするのは望ましいものではありませんが、この歌意は、先祖祭祀は宮中祭祀の雛型でありまして、先祖祭祀の彼方に宮中祭祀、惟神の道が連綿として続き、それが我がくにからの根と幹になつてゐるといふものです。これが『教育ニ関スル勅語』(教育勅語)にいふ「國體ノ精華」の基軸となつてゐます。
そして、この歌にはいみじくもこの連綿としたくにからを寓意するが如く、文字の連結と循環が見られます。
つまり、發句の「ちちははと」の最後の「と」が次の「とほつおやから」の最初の「と」に、「すめみおや」の最後の「や」が次の「やほよろづへの」の最初の「や」にそれぞれ連なります。そして、この二つの五七句が「から」と「へ」の格助詞で対句として繋がり、さらに「の」の格助詞で「くにからのみち」に連なり、そしてこの「くにからのみち」の最後の「ち」は再び發句の「ちちははと」の最初の「ち」に連なつて連結循環した姿を示し、万世一系、循環無端を意味するものとなつてゐます。
この歌は、聖戦大碑を護持することが國體を護持することの「雛型」であることの意気込みを強く示したものと御理解いただければ幸甚です。