新憲法制定について
(平成17年)

弁護士

南出喜久治

御世継問題かしましき昨今、何かと宸襟を悩ませる事柄が多いことについて、皇室の藩屏となることを自己の信念として矜持を保つ者にとって、拱手の日々を重ねることは誠に慙愧に堪へないが、いにしえよりの皇室の斯く有るべき姿を想起して皇統の連綿を祈るとき、やはりそこには熟慮の根底に、皇室の法である皇室典範のあり方に思いを致す必要がある。
しかし、ここでいふ皇室典範とは、GHQの完全軍事占領下の「非独立」状態で制定された現行憲法の下で「法律」として定められた皇室典範のことではない。GHQ占領下で法律として制定されたこの皇室典範(占領典範)は、帝国憲法時代の皇室典範(正統典範)と似て非なるものである。

時恰も本来無効であり破棄すべき占領憲法を改正する動きが高まり自民党は新憲法制定推進本部を設け初会合が1月24日党本部で開かれた。この委員長が森喜朗前首相、前文に関する小委員長が中曽根康弘元首相、天皇に関する小委員長が宮沢喜一元首相、その代理として橋本龍太郎元首相といふいかさま戦後民主主義的大物が各長であることをみて、わたしはただ慨歎の一語に尽きるといわざるを得ない。彼等がこれまでになした言動からの想ひである。即ち真にこの国の再生が出来る日本民族の核と気概を示せる人物達でないと感ずるからである。國體に対する認識不足、歴史無智からくる誇りと愛国心の欠如等々いろいろと指摘出来る。「勇将の下に弱卒なし」これではの危惧である。各氏の言動に対する記述は紙数がないので省くが御質問には喜んで御答へしたい。

最後に御世継問題について
萬世一系は何としてでも護らねばならない。現状は正しく危機といへよう。真に国を愛する方々の広き英智を結集したいものと考へてゐる。

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