大東亜聖戦祭に寄せて
(平成27年)
大東亜聖戦大碑護持会最高顧問、アパグループ代表
元谷 外志雄
今年も8月を迎え、大東亜聖戦祭が盛大に挙行されることを大変嬉しく思います。私たちはこの機会に、今一度大東亜戦争の意義を振り返り、祖国を守るために命を落とされた英霊の方々に想いを馳せながら、国の誇りを取り戻し、この国難を乗り切っていかなければなりません。
2010年に大東亜聖戦大碑護持会の最高顧問に就任しましたが、その年はアパグループにとっても第一次頂上戦略のスタートの年でした。私にとっては事業と言論活動は車の両輪であり、両者は切っても切り離せない関係にあります。
この5年間で、皇居を取り巻く都心三区を中心に、東京都心でホテル客室数が10,000室を超えてbPとなり、日本全国では客室数では第3位ではありますが、収益力では日本で断トツbPのホテルチェーンになりました。
一方、言論活動においては2008年にスタートした「真の近現代史観懸賞論文」制度に加えて2011年には勝兵塾を立ち上げ、現在では毎月、東京、金沢、大阪の3拠点で例会を行い、これまでに延べ10,000人の塾生に、「本当のことはどうなのか」を問い続け、正しい世界観、国家観、歴史観を醸成する場を提供してきました。
懸賞論文制度と勝兵塾の活動は、一昨年から財団法人として行ってきましたが、今年の6月24日付で内閣総理大臣より公益財団の認定を受け、今般、公益財団法人として活動することとなりました。当財団の活動に対して公益性を認めていただいたことから、今後は「誇れる国、日本」の再興を目指す運動を一層拡大して行きたいと思っております。
本年、6月に『理論 近現代史学』という本を上梓しました。世界では絶えず情報謀略戦が行われており、各国は国益のため都合のよいように歴史を歪曲して、史実として定着させようとしています。また、多くの歴史学者は定説に捉われ、新たに明らかにされた事実に目を瞑ってきました。私は、「理論物理学」という学問があるように、近現代史でも、あらゆる事実の断片を矛盾なくつなげ、論理的に説明できるものこそが真実であり、こうした真実の歴史を追求する学問を「理論近現代史学」と呼ぶこととしました。
本書には英訳も付けています。月刊誌『Apple Town』に毎月掲載している私のエッセイや『Big Talk』にも数年前から英訳を付けています。英語で発信する取り組みを続けてきたことで、6月の出版記念パーティには18ヶ国の駐日大使に出席していただきました。日本の保守はこれまで英語での発信力が弱かった。国際社会で繰り広げられている情報戦に打ち勝つためには、保守も英語で積極的に発信し、中国や韓国の反日プロパガンダに対抗していかなければなりません。
安倍政権に対してもこれまで私は3,000億円の予算と3,000人の人員の情報局を設置し、世界中の誤った反日プロパガンダに対して、それぞれの言語で24時間以内に反論できる体制を整えるべきだと提言してきました。そこまでの規模ではありませんが、安倍政権は本年度に対外情報発信強化のために予算を500億円増額しました。
7月16日に安保関連法案が衆議院を通過しました。膨張する中国と衰退するアメリカとの間で、力の空白域を作らないことが大切です。どの国のトップも軍も本当は戦争を望んでいません。しかし、日本が弱ければ、中国も下からの突き上げで日本を攻撃せざるを得なくなります。だから、中国も本音では日本が強くなることを望んでいるのです。戦争はバランス・オブ・パワーが崩れたときに起こるものです。この安保法案も憲法改正が出来れば必要ないものですが、憲法改正を、たとえ衆参両院で3分の2の賛成で発議できたとしても、全国に7,500もある「九条の会」やメディアの間違った報道によって、国民投票で過半数の賛成を得ることは難しいでしょう。しかし、ここで片務的な日米安保条約を双務的にすることは、日本が真の独立国家となるためには必要なことです。
安倍総理の政権運営を見ていると、迂回戦略を取りながら、大変巧妙に行っていると評価できます。安倍政権が誕生し、円安株高で日本経済にも明るさが見えてきました。近隣諸国への一定の配慮はしつつも、いわゆる「南京大虐殺」や「従軍慰安婦強制連行・性奴隷」などの歴史の捏造に対して、政府として反論し、国際社会に向けて日本の立場を堂々と主張して来ました。今年の4月に安倍総理がアメリカの上下両院合同会議で行った演説は、未来志向で大変素晴らしいものだと私も評価しています。
自虐史観に基づき日本の歴史を貶めることは、我々の祖先を貶めることにもなります。戦後70年を機に、我々日本人が英霊の方々への尊崇の念を抱き、改めて歴史の真実に目を向け、祖国に対して誇りを持てるようにならなければなりません。そのためにも、私はこれまで以上に言論活動に力を入れていきたいと思います。