中・韓にとって「A級戦犯」は誰か
― 毛沢東と朴正煕を断罪 ―
(平成18年)
元高千穂商科大学教授
名越二荒之助
民主党の小沢一郎代表が、最近語っていた。
「わが党が政権を獲得したら、靖國神社の霊爾簿から「A級戦犯」を削除することを公約する」と。
また石原都知事も「わが国はこれまで、国家としての敗戦の責任を問う事をしなかった。私は靖国神社に参拝したら、A級の人たちを除外して追悼する事にしている」旨を語っていた。
小泉首相も一年に一度は参拝するが、「心の問題」と言うだけに終わったり、「心ならずも国家のために命を捧げた人を追悼する」とか、平成7年の「村山談話」を持ちだして「わが国は、国策を誤って侵略戦争を行い、植民地支配によって、他のアジア諸国に苦痛を与えたことを謝罪する」という趣旨を繰り返すばかりである。
日本のマスコミも教科書も、ほぼこんな路線だから、中韓両国は「A級戦犯で押したら、外交的に日本の優位に立てる」ことをよく知っている。
先日もKBS(韓国放送・NHKにあたる)のテレビ記者4人が、私のところに取材に来た。質問の中心は「A級戦犯分祀」にしぼられてくる。私は韓国の立場に立って次のように答えた。
ベトナム侵略の「A級戦犯」は朴正煕大統領ではないか。
私は数年前ベトナムを訪ねた。するとベトナムの若者達は「韓国大嫌い」を連発していた。韓国はアメリカの尻馬に乗って、1965年からベトナムに約30万の侵略軍を派遣した。責任者は朴大統領であり、後に大統領になった全斗換が師団長、盧泰愚は大隊長だった。韓国軍は増長して暴虐の限りを尽くし、民間人を平気で殴り飛ばした。ベトナム女性を強姦して1万人からの混血児を作って逃げ帰り、今も知らん顔だ。韓国人の横暴は許せない。
人のよいベトナム人だがフランスやアメリカに勝っただけあって、誇り高い民族である。もしベトナムが韓国を占領して軍事裁判を起こしたら、朴正煕大統領をはじめ、当時の指導者の何人かはA級戦犯として処刑されるであろう。現在朴大統領夫妻の墓は国立墓地の一番奥まった高い場所に作られている。ベトナムが「国際的犯罪人達の墓を国立墓地から除け」と言い出したら、韓国民はそれに従うのであろうか。
私がこのように語ったら、KBSの記者達に返答はなかった。「初めて聞きました。有難うございました」と答えるだけであった。私は続いて、次の例を挙げた。
韓国侵略の元凶は毛沢東であり、彼こそ「A級戦犯」ではないか。昭和26年に起こった朝鮮動乱の時、韓国は国連16ヶ国と共に戦った。その年の10月には鴨緑江岸に到達して朝鮮は韓国によって統一されるはずであった。ところが、突如毛沢東の命令により、中国義勇軍が鴨緑江を超えて侵略してきた。以来朝鮮戦争は3年間、血みどろの戦争を続け、もとの38度線で停戦した。
韓国に100万以上の犠牲を払わせる愚かな戦争であった。その張本人は金日成であり、それに便乗した毛沢東であった。金・毛は韓国人にとって不倶戴天の仇敵であり、超A級戦犯ではないか。
韓国人なら韓国人らしく、このように韓国の戦犯を問題とすべきではないか。東京裁判の時起訴した日本の「A級戦犯 28人」は、当時の戦勝国が決めた戦犯であり、韓国人は日本人の一員として共に戦った仲であった。なぜ協力したかと、裁かれる方であった。そして現在の中国は東京裁判中は存在しなかった。中華人民共和国が誕生したのは昭和24年で、裁判後の事であった。
中共国と「A級戦犯」は関係ないのに、ひとり出しゃばっている。それだけで笑い者になっているのに、それに便乗して韓国がA級戦犯について発言したりすると、各国から馬鹿にされていることに早く気付いてほしい。