日本人を信ずる
(平成18年)

中山 貴之

日本に文字というものがなかった時代の日本人は書き残すことをせずとも、須く道理をわきまえ、約束を守り、お互いを信頼するという性質が備わっていたのであろう。
その精神は武士道に受け継がれ、戦時においても、例えば有名な日露戦争での水師営の会見ばかりでなく、大東亜戦争時にも、敵の英国兵422名を救助した駆逐艦「雷」の工藤艦長、インドネシア独立に命を落とした2000名を超える日本人義勇兵、マッカーサーと会見をされた昭和天皇の話等々、その精神にもとづく話は枚挙にいとまがない。
また、日本統治時代の台湾や朝鮮を見ても、西洋列強が行った植民地政策の様な傲慢な搾取とは異なる。
特に台湾においては、後藤新平や明石元二郎に代表される歴代の総督が行った政策は、自国と同じ、いやそれ以上のものであった。李登輝前総統も、台湾に最も寄与した日本人として鴉山頭ダムと嘉南大揚水路建設を挙げており、今も台湾の人々に愛され続けている。
日本にはそんな多くの素晴らしい祖先がいたことを知り、同じ血を受け継いでいることを誇りとし、子供たちにも事あるごとに語り継いでいかなければならない。今後、国際社会において主導権を発揮するためにも、史実の真贋を見分け、断固とした主張、自信ある態度を内外に向けて示していくことが必要と感じる。

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