東京「しょうけい館」を見て
(平成19年)
西川 晃男
これは、平成18年3月政府が開館したものだとの事でした。
名前の「しょうけい」は「承継」を判り易く仮名書きしたものだ、との事でしたので、きっと戦地で負傷されたお方の治療や療養の様子や、その方々を治療した軍医や従軍看護婦の実態を展示されたもので、戦地の実相を知らない者に事実を承継するもので、貴重な史料であるだろうと期待しては要りました。
印象に強く残ったのは、洞窟内の野戦病院らしき施設の中で二人がかりで押さえつけた戦傷者を軍医らしき人が手術しているリアルな等身大の人形や、同じ等身大で洞窟内にわびしく放置されているような戦傷者の姿や、今にも「ミズ・・・ミズをくれ・・・」という叫びが聞こえてきそうな悲惨な姿が再現されていました。一瞬支那にある反日記念館の七三一部隊の生体解剖のシーンかと見まがうようなものでした。
その他戦争の悲惨さを強調するものがあまりにも多かったので、ウンザリして一階へ降りると、11時からの映像・音声展示が始まったばかりだと、係の真面目そうな若い女性が言うので、その言葉に従って見ていますと、何と沖縄戦における悲惨な状況を語る老人の映像と証言を長々とやっていました。余りに一方的な意見の開陳ばかりなので耐えられなくなって出てしまいました。そして入館時にもらっていたアンケート用紙に記載して、かの女性に「反論があればメールででも送って下さい」と言って渡しました。
その要旨は次の通りです。
この施設は、反戦平和ばかりを呼びかける所謂反戦平和団体の展示と違わないではないか。
政府主体の施設であるならば、少なくともこのような状況下でも台湾の女性を含む若い従軍看護婦の皆さんが、身を挺して看護に当られて、それに対する感謝の念の表現くらいはあっても良いのではないか。とにかく戦争の悲惨さばかりが強調されていて、当時の国民の心が全く伝わってこない。
政府が他国の謀略に乗り、ひたすら反戦平和を唱えて国民をミスリードするのは、我が国を売り渡そうとする売国行為の実践者と見られても致し方ないのではないか。
政府がこんなものをよく作ったものだ。
と、そのように私は見て書きましたが、どうか皆様も一度現物を御覧になって私の見方の正邪を御批判賜れば幸いでございます。また、そんな見方も尤もであると思し召されたら、どうか然るべき筋への抗議を宜しくお願いします。