占領後遺症の克服こそ最大の課題
(平成19年)
元拓殖大学総長
小田村四郎
昨年7月北朝鮮はミサイル発射実験を行ひ、十月には核爆発実験を強行しました。平和に暮らしてゐた我々の同胞を突如拉致拘留して音信も許さぬといふ国家犯罪を平然と犯す「ならず者国家」の核ミサイル保有が現実化しつつあるといふ脅威に対し、どうすれば国家、国民の安全を確保できるか。国民すべてが真剣に検討すべきこの課題に対し、その論議すら封殺しようとする政界、言論界の言動は、世界に類を見ない「平和ボケ」と言ふべきでしょう。
敗戦後六十二年、主権回復後五十五年の今年、占領後遺症の克服はこれからも最大の課題です。