学校で教えて欲しい事
(平成19年)

大村 万集

「エンロン」というアメリカのドキュメンタリー映画を観てきました。よく出来た映画です。
規制緩和の盲点を突いて架空の事業を作り上げ、株価操作をして十数年で国内有数の企業となるものの、わずか数十日で崩壊してしまう会社の話です。ライブドアなど小さい小さい。さすが本場はスケールもえげつなさも数段上です。賭けごとを嫌い、地道な労働に価値を見出していた我が国にはこんなことは縁のない話であったはずなのに、アメリカにすっかり飼い慣らされて老いも若きも株価の変動に一喜一憂するようになってしまった現在の我が国でも同じことが必ず起きるでしょう。損害を被る個々人もそれで気付けばよいのですがたぶん無理でしょう。大東亜戦争で英霊となられた諸先輩もこの価値観の堕落に最も失望されていると思います。学校は子供たちに金融教育などバカげたことをせずにアメリカのこのような愚かさを教え、カネより大事なものがあると知っていた先人の知恵を伝えていくべきです。

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