草地先生を偲んで
(平成14年)
信夫 富子
年の瀬も迫り、何かと心せわしい此の頃でございます。
貴会の方々の、休む間もなきご苦労心から感謝申し上げます。
先日は草地貞吾先生御逝去との悲しいお知らせに、ただただ惜しまれて惜しまれてあの憂国の志士立派なお姿を再び拝顔することが出来ないと思いますと、おのずとこみ上げ胸ふさがれました。思い返しますれば97歳の大長老とは到底思えませぬ、昨年の大碑完成式典での御挨拶にて、初めて拝顔致しました。長身の背筋はピンとされまして気品あるご立派な姿勢からほとばしるお言葉の一つ一つの気概迫力に、鎧兜こそ召さねど、維新の志士にも劣らぬ、嘗ての大日本帝国軍人そのものの姿でございました。あの猛暑の中で「此処におられる皆さんと立派な日本にしましょう!」と全身の力をふり絞って叫ばれましたあの力強いお声が、今尚闡明に沁みついています。
お若くして関東軍参謀とかの要職に在られ、終戦と共にソ連抑留11年の長期にわたり、国内の人々には想像に絶する辛酸をなめ尽くされたことでございましょう。帰国後も、数々の要職に就かれ立派な御著書を執筆なされ、其の間、唯一筋に乱れた日本精神の立て直しに御尽力、最後の締めくくりとしまして、あの「大東亜聖戦大碑建立」に命をかけて御奮励なされました5年間、その熱意が実り、立派な完成を見とどけられましてさぞご満足なされて旅立たれたことでございましょう。百年もの長き御生涯を、愛国心一筋に燃やし続けられました、偉大な草地先生を偲び、お慕い申し上げ、心から哀悼の誠を捧げます。
先生の御遺志を受け継がれ、後に続いてご活躍なされます憂国の方々のご長命を切にお祈り申し上げます。
ひたすらに 大和民族 甦る
日をばば夢見て 今年も暮れる