日本を憂う
(平成13年)

内貴 直次

大碑建立の御努力に謝意を表します。遅ればせながら小生も参加させて頂きます。靖國神社へは毎年何回も参拝し、慰霊の誠を捧げておりますが、金沢の大碑のことは知りませんでした。

小生は雪師団(三十六師)東北部隊ニューギニアサルミ地区を守備、米軍に徹底抗戦をしました。師団長より将校斥候を命じられ、敵陣偵察、被弾、報告、夜襲、緒戦大勝、総攻撃にて被弾、隻脚の傷痍軍人です。

歴史の流れは寄せては返す大波小波のように栄枯盛衰、勝者必滅、弱肉強食の理を表している。
世界の進展は一刻も静止していない。日本人は優秀であるが平和に慣れてこの理を忘れている。
世界の支配者アメリカもその力をいつまでも維持できるか。歴史は語る、古代エジプトもギリシャもローマも、オスマントルコも元もスペインもイギリスも、かつて世界を支配した国とて衰退した。これから世界の地図はどう変わるか。

原爆を持った中共政府やインド政府が兄弟となり、アジア地域に勢力拡大すれば、アメリカは手を引かざるを得なくなった時、日本は如何なる運命を辿るや。太り過ぎた豚は餓狼の好餌になるばかりである。アメリカは国益優先の国である。不利と見ればアジアから引き揚げる。ベトナム戦然り。ソ連もアフガンで国力を消耗した。

アメリカの力に頼りきり、自国の防衛を疎かにしておれば、ロシア、北鮮も狙っている。中共は国民に抗日意識を吹き込み、積年の恨みを晴らすべく日本列島になだれ込み、飽食の日本を食い漁るであろう。日本は滅び、国民は難民となり、歴史も伝統も文化も無くなる。カルタゴの轍を踏もうとしている。やがて日本民族は滅びる。他国の公正と信義を信じ寝言を言って惰眠をむさぼった民族は世界の物笑いになって滅びる。
2600年以上続いた國體も遺跡もそしてこの美しい山河を喪失しては、今まで守ってくれた先祖にどう詫びたらよいか。

確信と称する日本人たちはいたずらな平和論で外国に媚びて日本を売ろうとしていることに気がつかない。我々の子孫を奴隷や難民に追いやるべく国を滅ぼす方向にむけようとしていることを認識させねばならぬ。


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